第22回愛知サマーセミナー
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愛知サマーセミナーの歴史

「学校の授業はなぜ『つまらない』んだろう?」

初期のパンフレット

21年前、ひとりの社会科教師は考えていました。「教師は指導要領に縛られている。生徒は国が決めたひとつの枠の中で同じ学習内容をなぞっている。大人も子どもも、窮屈な学びを強いられている」「『学ぶ』ことは、本当は、もっともっと楽しいことなんだ。授業の枠からはみ出して教えたいことは山ほどある。『教えたいことだけを教えて、学びたいことだけを学ぶ』そんな学校ができたら…」。彼はその自問を、仲間の教員2人に打ち明けたのです。そうして、たった3人の若手教師の思いから、サマーセミナーという教育イベントが芽吹きました。初年度の講座数はわずか72。そして、現在1400以上。根底に流れ続ける「学ぶことは楽しい」という理念を持ち続けて、愛知の教育を変える大きなきっかけとなるムーブメントの波をつくってきました。


近年のパンフレット

愛知サマーセミナー - 年表

年度 主な会場 講座数 参加数 校長 この年の特色
1988 --- 婦人会館 8 180 --- 『社会科セミナー』として開催
1989 1 市邨学園高校・中学校 72 4,411 寺内義和(実行委員長) 多彩な講座
1990 2 名古屋大谷高校 123 6,798 江森陽弘(ジャーナリスト) サマーセミナー方式となる
1991 3 中京大学附属中京高校 135 5,099 佐々波秀彦
(国連地域開発センター所長)
全国にも波及していく
1992 4 同朋高校 260 10,626 ジョームズ三木(脚本家) 父母、市民の参加
1993 5 東邦高校 224 9,464 安斎郁郎(立命館大学教授) 講座の質的深化。生徒講座増加
1994 6 淑徳高校・中学校 266 11,320 石川文洋(写真家) 「授業の祭典」として定着
1995 7 高蔵高校・中学校 333 16,112 五木寛之(小説家) 授業改革の牽引車として確立
1996 8 安城学園高校 406 16,239 河野美智子(産婦人科医) 市民講座の倍増
1997 9 東海女子高校 571 20,460 日高敏隆
(滋賀県立大学学長)
中学生参加。規模の飛躍的拡大
1998 10 桜丘高校・中学校 851 37,130 西澤潤一
(岩手県立大学学長)
市民参加5,000人以上
1999 11 東邦高校
愛知淑徳高校・中学校
666 20,476 山田洋次(映画監督) 2校で行われるツインキャンパス方式
2000 12 同朋高校 880 25,000 児玉隆夫
(大阪市立大学学長)
「総合学習」の見本市
2001 13 椙山女学園高校・中学校・小学校・幼稚園 907 28,000 井上ひさし(作家) 会場周辺地域と共同で開催
2002 14 市邨高校・中学校、東海高校・中学校 885 25,500 有森裕子(マラソンランナー) 総合学習・土曜講座につながる
2003 15 中京大学・中京大学附属中京高校 792 31,500 養老孟司(北里大学教授) 大学の全面的協力
2004 16 愛知高校・中学校 1,074 38,500 浅井愼平(写真家)
東ちづる(女優)
市民参加10,000人突破
2005 17 東海学園高校 1,013 35,000 小柴昌俊
(東京大学特別栄誉教)
市民参加は史上最高。地域と繋るプレサマセミ
2006 18 南山大学・南山短期大学・南山高校・中学校 1,019 36,500 中坊公平(弁護士) 「高校生議会」企画など社会問題をテーマにする講座の増加。
2007 19 名経大高蔵高校・中学校、名古屋市立大学、名古屋市立瑞穂が丘中学、御劔小学校、雁道商店街 1,066 35,000 羽生善治(将棋棋士) 市立大学、小中学校の会場貸与の実現。地域の商店街の夏祭りと一体に。
2008 20 愛知淑徳高校・中学校、名古屋市立東星中学、椙山女学園大学他 1,138 40,000 滝田栄(俳優) 参加者が初めて、のべ4万人に到達。市民講座が最高の600講座超。
2009 21 同朋大学・名古屋音楽大学・名古屋造形大学・同朋高等学校、名古屋市立豊正中学校 1,329 43,000 小菅正夫
(旭山動物園名誉園長)
生徒講座が300講座を超える。過去最高の1300講座を超える。

今後10年、サマーセミナーはより刺激的な「知の触発装置」として、また「壮大な実験の場」として、そして地域市民にとってなくてはならない「夢の学校」として、成長を遂げていくことでしょう。ひとりでも多くの大人や子どもに「学ぶことは楽しい」と伝え続けるために。

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